仏教における人々の情感に訴える布教のながい伝統をふまえ、浄土真宗で成立した独自な布教技法です。一節には、落語、講談、浪曲といった日本の「話芸」の源流となったといわれています。
笑いあり、涙あり、そして思わずお念仏が口に出る感動的な説教をぜひ、一度ご聴聞ください。
淨宗寺住職は、節談の研究にとりくみ、2007(平成19)年7月の「築地本願寺節談説教布教大会」の企画に加わり、現在この伝道技法の研究と現代への再生を目指しています。
2021年5月3日
聖徳太子一四〇〇回ご遠忌
今年は、622年に薨去された聖徳大子の一四〇〇回遠忌に当たります。コロナ禍の中でも、太子ゆかりの寺々では、太子を偲ぶ法要が続いています。わが淨宗寺には、太子創建の法隆寺境内の楠材で刻まれた、江里康慧大仏師・人間国宝故佐代子先生ご夫妻制作の聖徳太子尊像を安置申しあげております。また、お像の上部に掲げる扁額には、常磐井慈祥真宗高田派ご法主猊下の筆になる「八耳」という「多くの人々の思いを聞き届けられる」太子をたたえた文言が記されています。5月2日、常例法座の折に併せて、講師の赤井智顕師に導師をお願いし、太子和讃を読誦して、ご遠忌をお勤めさせていただきました。コロナ禍の状況下では、こうした小規模の法要が精一杯のことであり、太子様に申しわけない思いもありますが、今日のような人と人とのかかわりの縁が持ちにくい時代にこそ、太子の理想とされた「和」の精神をかみしめたいものであります。