淨宗寺は、湖都大津の中心街に位置する浄土真宗本願寺派寺院です。
寺の歴史は、慶長年間(約400年前)にさかのぼります。当時の大津の町は、新興経済都市として発展著しい頃でありました。浅井長政の家臣であった開基・浄専法師のもと、今日の大津祭の元祖塩屋治兵衛翁らが中心となり、現在の場所(布施屋町)に念仏道場を開いたことに始まります。
今もこの寺が大津祭曳山巡行の最終のからくり奉納の場所となっているのは、そうした由緒にかんがみての伝統的行事であるといえましょう。
歴代住職は、学僧が多く、七世祥瑞・九世教信・十一世孝庸などは、宗門の教学伝道の歴史に名を残しております。
現住職は、十一世孝庸(龍谷大学教授)に英語を学んだ朝枝善照博士(1944~2007年・龍谷大学教授・本願寺派司教)の門下生で、1985(昭和60)年、十二世坊守の継嗣として入寺し、1988(昭和63)年住職を継承しました。2010(平成22)年には文学博士号を取得し、現在、十三世住職を勤めるかたわら宗門立の相愛大学客員教授として教壇に立っています。
著書は、『日本古代仏教制度史研究』、『大津浄土真宗寺院史』、『節談椿源流の説教者』、『日本三学受容史研究』など数多くあり、節談説教研究会副会長もつとめています。
本堂
1730(享保15)年建立。いく度かの修理・改築をへて、道場形式の原形を今に伝えています。
撮影 写真家 森谷洋至氏
門徒会館・庫裡
1993(平成5)年新築。都市寺院の多様性を考え、鉄骨造3階建てとしています。1階には、太子堂をかねた会館があります。
山門
1996(平成8)年新築。薬医門形式。
淨宗寺門徒総墓
「俱会一処」の教えと少子高齢化時代のニーズに応じて1997(平成9)年、蓮如上人の六男蓮淳師の墓の周辺に建てられた共同墓地の一画に建立。多くの方の安住の墓所として、利用いただいております。納骨希望の方は、詳細を淨宗寺までお問いあわせください。