節談(ふしだん)とは

仏教における人々の情感に訴える布教のながい伝統をふまえ、浄土真宗で成立した独自な布教技法です。一節には、落語、講談、浪曲といった日本の「話芸」の源流となったといわれています。

笑いあり、涙あり、そして思わずお念仏が口に出る感動的な説教をぜひ、一度ご聴聞ください。

淨宗寺住職は、節談の研究にとりくみ、2007(平成19)年7月の「築地本願寺節談説教布教大会」の企画に加わり、現在この伝道技法の研究と現代への再生を目指しています。

2012年9月4日

「年番」として
わが大津旧市街の浄土真宗本願寺派寺院においては、「大津組」という宗門の正式な行政単位のほかに、「年番会」という私的なグループがあります。その起源は、何と江戸時代の後期にまで遡ると考えられます(詳しくは私の『大津浄土真宗寺院史』2004年永田文昌堂刊167頁参照)。 「年番」の始まりは、それまで「触頭(ふれがしら)」という本末関係を通じて行われていた「宗門改め」の実務を、各寺院が平等に一年ごとに交代に分担するために誕生したものでした。つまり、幕府の政策の末端を担う役目を果たしてはいましたが、ある意味で寺院の自治と平等をめざして生まれた制度といえましょう。 明治以後は、寺院間の互助組織としての性格を持ちらがら今日に至っています。今でもその精神を受け継ぎ、各寺院の住職寺族の葬儀に関しては、ほとんど無報酬でたすけあい、しかも同じ「白」の法衣を着用し席次も年齢順にすると定められています。 本年は17年ぶりに「年番」を勤めさせていただいています。 今回ご縁にて、2日に104歳でご往生されたS寺の前坊守様のご葬儀の準備のお手伝いをさせていただきながら、「年番」の制度をたちあげ永く守り続けてきた先人たちの強い思いを改めてをかみしめております。           合掌

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